大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)308 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

上告人Aの弁護人天野頼義及び中川多吉の上告趣意並に上告人Bの右両弁護人の

上告趣意は添附別紙に記載の通りである。右の二つの上告趣意は論旨が略ぼ同様で

あるから、一括してこれに対する判断を次ぎに示す。

各上告趣意第一点について。

しかし論旨も認めているように、予審の訊問調書には予審判事代理が司法警察官

意見書記載の犯罪事実を読み聞かせて斯様な事実につき強制処分の請求があつたが

何か弁解することがあるか、と問うたのに対して、被告人等は、その通り相違あり

ません、別に弁解することもありません、と答えた旨を記載してある。この被告人

等の答えは単に意見の陳述たるのみに止まらず、犯罪事実を自ら認めた供述でもあ

る。原判決に『予審判事代理の各訊問調書中被告人等が…(中略)。…判示金品を

強奪した旨の各被告人の自認の供述記載』と言つているのは、右の供述記載を指し

ていること明かであるから、これは論旨に主張するように、供述記載ないものを記

載ありと誤認して之れを援用したものではない。従つて原判決が右の供述記載を証

拠として援用するにあたり、警察官の意見書を合せて示さなかつたとしても、論旨

に言うように記載のない証拠に基いて事実を認定したことにはならない。そうして

右の供述記載を他の証拠と綜合すれば、判示第一の犯罪事実を認定することができ

るのであるから、原判決には論旨の主張するような違法はなく、論旨は理由がない。

同第二点について。

しかし原審が採用した証拠に照らしてみれば、本件被告人等は被害者等にその反

抗を抑圧する程度の脅迫を加えて判示金品を強取したものと認定し得るのであるか

ら、原判決がこれを強盗の罪にあたるものとしたことには擬律の錯誤はない。論旨

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は、原判決が証拠として採用しない供述などを援用して本件所為を恐喝罪にあたる

ものと主張しているけれども、証拠の取捨選択や事実の認定は原審の自由に為し得

るところであるから、この主張は採用することができない。

同第三点について。

しかし量刑不当の主張は、日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関

する法律第十三条第二項によつて、適法な上告の理由とならないものである。

以上の理由により、刑事訴訟法第四百四十六条に則り、主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二十三年六月十五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 庄 野 理 一

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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